岡山市内における3歳児う蝕有病者率の地域格差について : マルチレベル分析による検討

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タイトル別名
  • Multilevel Analysis of Regional Differences in Caries Prevalence among 3-year-old Children
  • オカヤマ シナイ ニ オケル 3サイジウショクユウビョウシャリツ ノ チイキ カクサ ニ ツイテ マルチレベル ブンセキ ニ ヨル ケントウ

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抄録

平成10〜16年度に岡山市3歳児健康診査を受診した35,954名の歯科健康診査結果を用い,6保健センター別のう蝕有病者率はどのように経年変化をしているか,その変化の仕方に地域格差が存在するかを明らかにすることを目的とした.年度の違いをレベル1,保健センターの違いをレベル2とする2段階の構成とみなし,マルチレベル分析を行った.目的変数を保健センター別のう蝕有病者率,説明変数を受診年度として求めた回帰モデルにおける傾きは-2.156となり,う蝕有病者率は年々減少していることが示された.切片38.656は,保健センターの違いによって分散6.992でばらついていた.また,傾きも保健センターの違いによって分散0.018でばらついており,う蝕有病者率の減少の仕方に保健センター間で違いがあることが示された.さらに,切片と傾きの共分散が-0.624となり,負の相関をもつことから,切片が高い保健センターは急な負の傾きをもち,切片が低い保健センターは緩やかな傾きをもつことが示された.このことから,同一の歯科保健サービスを実施している一自治体内であっても3歳児のう蝕有病者率の変化には,地域格差が存在していることが示された.

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参考文献 (17)*注記

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