大型肉用ヤギにおけるアルファルファヘイキューブの採食量に及ぼす唾液成分の静脈内補充の影響

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  • Effects of an intravenous replenishment of salivary components on feed intake in large-bodied goats fed on crushed alfalfa hay cubes
  • Effects of intravenous replenishment of salivary components on feed intake in large-bodied goats fed on crushed alfalfa hay cubes

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抄録

大型肉用ヤギは乾草の採食速度が大きく,採食開始時に多量の唾液を分泌する。それにより,循環血漿量が減少する。そのことが渇きの程度を増加させて乾草の採食量抑制要因になっているか否かを調べた。砂川らが開発した大型肉用ヤギ11頭(4〜6才齢,体重82.8±3.7kg)を供試した。動物には,粗く砕いたアルファルファヘイキューブ3kgを1日2回(10,16時)2時間ずつ給与した。実験は3処理,すなわち非注入区(NI),人工唾液を午前の給餌1時間前から2時間の採食時間に渡り静脈内へ連続注入する区(ASI),マンニトール溶液をASI区と同様に注入する区(MI)から成った。午前の採食時に、採食速度を経時的に測定し、血液を採取した。採食終了後、30分間の飲水量を測定し,渇きの程度とした。採食によるヘマトクット値および血漿総蛋白質濃度の増加のレベルは,NIと比べてASIおよびMIが低下した。これは,採食初期の唾液分泌亢進により血液中から体外へ失われた循環血漿量(血液水分量)の一部分がASIまたはMI処理により補われたからであった。渇きの程度は,NIと比べてASIおよびMI処理で共に低下した。以上の結果より,大型肉用ヤギで乾草の採食初期に観察される採食量の顕著な減少が,採食初期の唾液分泌完進による循環血漿量の減少にも起因していると考えられる。

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