脳血管疾患患者における理学療法実施時間数と日常生活活動能力改善度との関連性  [in Japanese]

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【目的】脳血管疾患患者の日常生活活動(以下、ADL)能力の回復を促進するためには、理学療法等の量を増やし、集中して行うことが勧められている。本研究の目的は、理学療法等の実施時間数とADL能力の改善度との相関を調べ、理学療法の時間数を多く行うことの意義について検討することである。<BR>【方法】対象は、平成17年5月1日から9月30日、ならびに平成18年5月1日から9月30日に他院から当院回復期リハビリテーション病棟に入院後、1ヶ月以上の入院期間があった初発の脳血管疾患患者64名(男性34名・女性30名、年齢72.2±11.4歳、発症後日数34.1±13.3日)であった。入院時に機能的自立度評価法(以下、FIM)にてADL実行能力を評価し、その1ヵ月後に同様な評価を実施した。また、診療報酬請求データから、理学療法、作業療法、言語聴覚療法の入院1ヶ月間の延実施単位数を調べ、1単位あたり20分間に換算して各療法の実施時間数を求めた。入院時とその1ヵ月後のFIMの差(以下、改善度)と療法実施時間数との相関をみるために、スピアマン順位相関係数(同順位補正)を算出した。この分析においては、FIMの運動項目はセルフケア(食事、清拭、更衣、排泄など)と移動(移乗、歩行、階段昇降など)に、認知項目は会話(理解、表出)と精神(問題解決、記憶など)に分類して行った。<BR>【結果】入院時のFIMは、運動項目47.0(セルフケア31.4、移動15.5)、認知項目21.5(会話9.1、精神12.4)であり、それぞれの改善度は15.3(8.4、6.9)、2.0(0.8、1.2)であった。各療法の実施時間数は、理学療法1,116.3分間、作業療法1,035.8分間、言語聴覚療法680.9分間であった。理学療法実施時間数と有意な相関が認められた項目は、運動項目(ρ=0.296)と、その細項目であるセルフケア(ρ=0.296)であった。作業療法は精神(ρ=0.267)に、言語聴覚療法は認知項目(ρ=0.344)と会話(ρ=0.332)に有意な相関が認められた。<BR>【考察】今回の結果により、理学療法実施時間数が多い者の方が運動関連のADLに大きな改善が認められることが示唆された。これは、平成18年4月の診療報酬改定に伴う1日あたりの実施単位数の上限緩和により、理学療法実施時間数が増加し、その影響によりFIM運動項目の改善度が大きくなった患者がいたことによると考えられた。しかし、本研究が二重盲検法による比較試験ではないために、療法開始時に大きな改善が見込まれた患者に、時間数が多い療法を計画していたということも否定できなかった。理学療法実施時間数と認知関連のADL改善度との相関が認められなかったことから、包括的なADL向上に向けては、作業療法や言語聴覚療法の適用も含めて総合的に計画していかなければならないと思われた。<BR>

Journal

  • Congress of the Japanese Physical Therapy Association

    Congress of the Japanese Physical Therapy Association 2006(0), E1118-E1118, 2007

    Japanese Physical Therapy Association (JPTA)

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