人称代名詞「僕」「君」の変遷 Historical Change of Personal Pronoun 'Boku' 'Kimi' in Japanese

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抄録

本稿では,人称代名詞「僕」「君」に関し,(1)明治以前の「僕」「君」の使用,(2)明治以降の「僕」「君」の使用,(3)女性に対する「僕」「君」の使用の3点を,使用者,使用相手,使用意図を中心に観察した。明治以前の資料では,「僕」は丁寧な言葉遣いとともに使用が見られるところから,謙称として使用されていたと考えられる。一方「君」に関しては,主君に対する使用や遊里の特別な使用は見られたが,現代的な用例は確認されなかった。明治に入ると,初期の資料では「僕」は謙称の用例とともに,対等の立場での使用が見られる。「君」に関しても,敬意を含んだ使用と対等な立場での使用が見られるようになり,現代の人称代名詞へ移行する過渡的な状況が確認された。明治半ば以降は,男性同士の対等の関係での「僕」「君」の使用の広まりが見られた。男性の,女性に対する「僕」「君」の使用に関しては,明治前期にはまだ一般的ではない。「僕」は明治半ば以降,頻繁に見られるようになる。また「君」の使用は,明治の末年から大正の作品に確認されたが,用例はまだ少ない。女性に対する「君」の使用が広がるのは,大正末から昭和初期にかけて流行した「モダンボーイ」「モダンガール」という特殊な風俗の中での使用からと考えられる。

収録刊行物

  • 川村学園女子大学研究紀要

    川村学園女子大学研究紀要 18(3), 131-147, 2007-03-15

    川村学園女子大学

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    110006392649
  • NII書誌ID(NCID)
    AN10179111
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    Departmental Bulletin Paper
  • 雑誌種別
    大学紀要
  • ISSN
    09186050
  • NDL 記事登録ID
    8776885
  • NDL 雑誌分類
    ZV1(一般学術誌--一般学術誌・大学紀要)
  • NDL 請求記号
    Z22-1689
  • データ提供元
    NDL  NII-ELS  IR 
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