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- 金澤 裕之
- 横浜国立大学
書誌事項
- タイトル別名
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- テクダサル ト テイタダク ニ ツイテ
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抄録
近年、主に話しことばで、例えば「多くの方が来ていただき…」というような、「○○(=相手)が△△していただく」という表現をよく耳にする。授受を表わす部分が「てくださる」ではないこの表現は、現在一般に「誤用」と考えられているが、使用場面の急速な広がりの背景には、これまでの言語ルールを超えた何らかの理由があるように感じられる。本稿では、話しことばの実際の用例において、「てくださる」と「ていただく」の両者が入り得る場面でも「ていただく」の方が遥かに高い割合で選択されていることを確認しつつ、そうした現象の背景にあるものとして、現代人の敬語意識における一つの心理的な傾向について考察し、併せて、複雑な体系を持つ日本語の授受表現における単純化の方向への一つの兆しが、こうした現象に現われているかもしれない可能性について言及する。
収録刊行物
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- 日本語の研究
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日本語の研究 3 (2), 47-53, 2007
日本語学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205788058496
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- NII論文ID
- 110006404238
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- NII書誌ID
- AA11998386
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- ISSN
- 21895732
- 13495119
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- NDL書誌ID
- 8743954
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可