日高東部軽種馬生産牧場の土壌および牧草中の銅ならびに亜鉛含有率

書誌事項

タイトル別名
  • Copper and Zinc Concentrations in Soils and Grasses of Horse Breeding Farms in Eastern Hidaka District, Hokkaido
  • ヒダカ トウブ ケイシュバ セイサン ボクジョウ ノ ドジョウ オヨビ ボクソ

この論文をさがす

抄録

日高東部地区4町の軽種馬生産牧場の採草地112筆より土壌および牧草(チモシー)を採取し,土壌中の銅および亜鉛の全含有率,可溶性(0.1N塩酸可溶)含有率,牧草中の含有率について調べ,各々の関係を検討した。土壌中の全銅含有率は平均で34ppmで,岩屑土,多湿黒ボク土,褐色森林土がやや低いものの土壌群間に大きな差はなかった。可溶性銅含有率は平均で3.6ppmで,黒ボク土,多湿黒ボク土,褐色森林土で低く,各々0.7,0.5,1.9ppmであった。また,全銅含有率が30ppm以下になると可溶性銅含有率が著しく低くなった。リン酸吸収係数が1400以上の土壌では可溶性銅含有率はほとんど0.5ppm以下となり,これらの土壌では可溶性銅を抽出した0.1N塩酸に溶出したAl^<3+>ぉよびCa^<2+>濃度が40me/l以上であり,かっこの抽出液中のH^+濃度が10me/l以下であった。このことが黒ボク土および多湿黒ボク土の可溶性銅含有率を低くしている原因と考えられた。牧草中の銅含有率は平均で5.7ppmで土壌群間に明かな差はみられず,可溶性銅含有率と牧草中の銅含有率との間にも関係がみられなかった。しかし,家畜が必要とする飼料中の銅含有率に比較すると1/2程度の含有率であった。土壌中の全亜鉛含有率,可溶性亜鉛含有率および牧草中の亜鉛含有率は各々平均で69,5.0,22ppmであった。黒ボク土,多湿黒ボク土で可溶性亜鉛含有率がやや低かったものの,土壌群間に大きな差はみられなかった。可溶性亜鉛含有率に銅でみられたようなAl^<3+>やCa^<2+>濃度との関係はみられなかった。牧草中の亜鉛含有率は家畜が必要とする含有率と比較すると1/2程度の含有率であった。

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ