明治・大正初期における扇風機の発達 : 扇風機のデザインにおける歴史的研究(1)

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タイトル別名
  • The Development of Electric Fan in Meiji and Taisho Early Days : Historic Analysis on a Design of Electric Fan (1)

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抄録

本論では,扇風機のデザインの歴史を研究することを通じ,我が国家庭電化製品のデザイン開発における特徴を解明する一助としたい。明治,大正時代の史料を調査することにより,以下のことが判明した。明治時代には,先進国から我が国へ輸入された製品が,扇風機を普及させる中心的役割を果たした。欧米では,天井扇の需要が大いにあったが,我が国においてはほとんどなく,卓上扇風機を中心に開発が進められた。我が国における職人の能力は高度であった為,欧米から導入された技術を受容できる余地があった。当初は町工場も扇風機を製造していたが,やがて財閥系の大企業が製造を独占するようになる。大正時代に入ると多くの大企業が扇風機製造に進出し,各社の宣伝活動が盛んになった。大正時代前半には,扇風機のデザインにおける基本的な4つの要素が出揃った。すなわち,黒色,4枚羽根,ガード,首振り機能である。扇風機は高価であったので,大半の人々は扇風機の貸付制度を利用していた。その結果,扇風機はステイタスシンボルとして機能した。

収録刊行物

  • デザイン学研究

    デザイン学研究 54 (3), 55-64, 2007

    一般社団法人 日本デザイン学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (33)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205410203904
  • NII論文ID
    10025506322
    110006438649
  • NII書誌ID
    AN00150292
  • DOI
    10.11247/jssdj.54.55_1
  • ISSN
    21865221
    09108173
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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