イスラーム文献が伝える多様なゾロアスター教像 : 六-八世紀のアラビア語資料のゾロアスター教研究への応用

書誌事項

タイトル別名
  • Zoroastrians as Seen by Arabs between the 6th and 8th Centuries : From Muslim Writings on Mesopotamian and Khorasanian Zoroastrianisms
  • イスラーム ブンケン ガ ツタエル タヨウナ ゾロアスターキョウゾウ 6 8セイキ ノ アラビアゴ シリョウ ノ ゾロアスターキョウ ケンキュウ エノ オウヨウ

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抄録

ゾロアスター教研究の資料には、六-一〇世紀に執筆された内部資料であるパフラヴィー語文献と、その他の言語による外部資料がある。外部資料の研究としては、ギリシア語・ラテン語、シリア語、アルメニア語、漢文、近世ヨーロッパ諸語などの資料ごとに纏まったコーパスがあるものの、アラビア語資料を用いた本格的な研究は依然としてなされていない。本論文は、アラビア語資料を完全に網羅した訳ではないが、ある程度の資料に当たって、アラビア語資料によるゾロアスター教研究の方向性を示した試論である。暫定的な結論として、サーサーン王朝時代のペルシア帝国領内のゾロアスター教は一枚岩ではなく、各地方ごとのゾロアスター教が存在したこと、パフラヴィー語文献は、そのうちのイラン高原南部のゾロアスター教を代表するに過ぎないこと、メソポタミアやイラン高原東部のゾロアスター教の実態は、却ってアラビア語資料から類推できることが判明した。

収録刊行物

  • 宗教研究

    宗教研究 81 (3), 653-674, 2007

    日本宗教学会

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