女性の心因性尿閉の3例

書誌事項

タイトル別名
  • THREE CASES OF PSYCHOGENIC URINARY RETENTION IN FEMALE

この論文をさがす

抄録

71歳, 16歳, 23歳女性に生じた3例の心因性尿閉を報告する. 全症例共, 神経学的検査で異常なく, 器質的下部尿路閉塞も認められなかった. 2症例で尿閉は“emotional stress”の後に生じた. 症例1では両側VURと軽度の肉柱形成膀胱を認めたが, 症例2と症例3では通常の泌尿器科検査では異常がなかった. 全症例で膀胱容量は500ml以上で尿流動態検査にて排尿中の外括約筋の action potential の増大を認めた. 精神科的考察では, 症例1は depression の1つの型であり, 抗うつ剤の投与で尿路症状の改善をみた. 症例2はヒステリーであり, 精神安定剤と自律神経訓練法により尿路症状の改善をみた. 症例3は神経分裂病によるもので, 種々の治療に対し抵抗性であった. 結婚と共に症状の消失をみたが, その後離婚し, 再び残尿の増大を認められた. 心因性尿閉の治療は, 泌尿器科医と精神科医との協力の下でなされるべきである.

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ