1 バイオフィルムの光学的検出に関する研究(第506回 大阪歯科学会例会)

書誌事項

タイトル別名
  • Optical detection of oral biofilm
  • バイオフィルムの光学的検出に関する臨床研究
  • バイオフィルム ノ コウガクテキ ケンシュツ ニ カンスル リンショウ ケンキュウ

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抄録

本研究は,光学的診査機器を用いて歯垢の観察を行い,赤色蛍光を発する歯垢が観察される部位やその蛍光強度が,歯周組織状態や歯垢中の菌叢とどのように関連しているかを検討することで,光学的診査技術が歯垢の質的評価に応用可能であるかを検索する目的で行った.<br>   被験者は歯周治療科に来院した患者で実験参加に同意の得られた11名とした.赤色蛍光を発する歯垢の付着部位の観察にはペンスコープを用い,蛍光を発する歯垢が認められた歯面の割合を算出した.またそのうちの1歯をInspektor Pro™を用いて撮影し,画像解析を行って平均蛍光強度(ΔR Average)と最大蛍光強度(ΔR Max)を算出した.歯周組織状態はPeriodontal Index (PI),ポケット深さ(6点法)で評価し,Inspektor Pro™の対象歯はアタッチメントロス,プロービング後の出血についても診査して,歯肉縁上歯垢と歯肉縁下歯垢を採取,PCRインベーダー法によって口腔内総菌数およびActinobacillus actinomy-cetemcomitance,Porphyromonas gingivalis,Prevotella intermedia,Tannerella forsythensis,Treponema denticola (T. denticola),Fusobacterium nucleatumの検査を行い,口腔内総菌数に対する各歯周病関連菌の割合を算出した.<br>   蛍光を発する歯垢の付着部位と歯周組織状態との関連を検討したところ,蛍光の有無と歯周組織状態とには直接的な関連は認められなかったが,蛍光強度と歯周病原細菌との関連では,古い歯垢で多くなるといわれているT. denticolaとの関連が認められ,光学的診査技術が歯垢の成熟度や病原性の診断へ応用できる可能性が示された.

収録刊行物

  • 歯科医学

    歯科医学 70 (1), 104-105, 2007

    大阪歯科学会

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参考文献 (24)*注記

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