低照度下における鉢花カーネーションの生理ならびに品質に及ぼす5-アミノレブリン酸処理の影響

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of 5-Aminolevulinic Acid on Physiology and Quality of Potted Carnations under Low Light Intensity
  • テイショウドカ ニ オケル ハチバナ カーネーション ノ セイリ ナラビニ ヒンシツ ニ オヨボス 5 アミノレブリンサン ショリ ノ エイキョウ

この論文をさがす

抄録

鉢花カーネーションの流通・消費段階での収穫後品質向上のために低照度下での生理および品質の変化について調査した.個葉の光補償点は‘マイフェアレディ’ではPPFD 10.3 μmol・m2・s1,‘スカーレット’12.9 μmol・m2・s1と算出された.Fv/Fm,ΦPSIIおよび葉のクロロフィル含量は120 μmol・m2・s1では維持されたが,10 μmol・m2・s1(16時間日長)においては著しく低下した.10 μmol・m2・s1において花弁の糖含量とアントシアニン含量の低下が認められた.10 μmol・m2・s1では120 μmol・m2・s1の鉢と比較して開花数が減少し,鉢花の日持ちも短かった.これらのことから,光補償点前後の弱光下ではクロロフィルの分解と葉の黄化が進行し,光合成量が著しく低下して糖含量が低下した結果,個々の小花と鉢花全体の日持ちが短縮されたものと推察された.10 μmol・m2・s1条件下の‘スカーレット’では30 ppm 5-アミノレブリン酸(ALA)処理により葉のφPSII値およびクロロフィル含量の低下と黄化が緩和され,開花数,小花および鉢花の日持ちが改善される傾向にあった.PPFD 5 μmol・m2・s1(24時間日長)条件下の‘マイフェアレディ’では30 ppmおよび150 ppm ALA単独処理で鉢花の日持ちが有意に延長された.PPFD 15 μmol・m2・s1(12時間日長)条件下の‘マイフェアレディ’において,30 ppm ALA処理はクロロフィル含量の低下を緩和したが,光合成速度や光補償点には影響しなかった.<br>

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 7 (1), 115-121, 2008

    一般社団法人 園芸学会

被引用文献 (4)*注記

もっと見る

参考文献 (26)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ