虚弱高齢患者における昇段能力と等尺性膝伸展筋力の関係

  • 寺尾 詩子
    聖マリアンナ医科大学病院リハビリテーション部
  • 山﨑 裕司
    高知リハビリテーション学院理学療法学科
  • 横山 仁志
    聖マリアンナ医科大学病院リハビリテーション部
  • 大森圭貢
    聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院リハビリテーション部
  • 笠原 美千代
    聖マリアンナ医科大学病院リハビリテーション部
  • 平木 幸治
    聖マリアンナ医科大学病院リハビリテーション部

書誌事項

タイトル別名
  • The relationship isometric knee extension strength and stair-mounting ability in fraily eldery patients
  • キョジャク コウレイ カンジャ ニ オケル ショウダン ノウリョク ト トウ シャクセイ シツ シンテン キンリョク ノ カンケイ

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抄録

本研究の目的は,昇段動作に必要な下肢筋力水準について検討することである.対象は,運動器疾患を有さない高齢患者166名(74.4歳)である.昇段能力は高さが40cm,30cm,20cm,10cmの練習台を用い,上肢の支持がない状態での昇段の可否を調査した.下肢筋力は,椅子座位,膝関節屈曲90度位での等尺性膝伸展筋力を測定した.昇段能力が優れた群において膝伸展筋力は有意に高値を示した(p<0.001).膝伸展筋力が体重の17%を下回る場合,いずれの段差においても昇段は不可能であった.筋力が30%を上回る場合,全ての症例が10cmの昇段が可能で,80%の症例は20cmの昇段が可能であった.筋力が40%を上回る場合,80%の症例が30cmの昇段が可能であった.さらに,筋力が50%を上回る場合,80%の症例が40cmの昇段が可能であった.本研究から,高齢患者における昇段能力の規定要因としては膝伸展筋力が重要であり,昇段動作が手すりなしで自立するためには最低限の下肢筋力が必要なことが示唆された.

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