スギ花粉症緩和米の安全性確保への取り組み―大規模隔離ほ場栽培と生物多様性影響評価―

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タイトル別名
  • Trials for safety assessments of the transgenic rice expressing T cell epitopes derived from Japanese cedar pollen allergens—Environmental assessments for biodiversity and the large scale cultivation under the isolated field—
  • スギ カフンショウ カンワマイ ノ アンゼンセイ カクホ エノ トリクミ ダイキボ カクリ ホジョウ サイバイ ト セイブツ タヨウセイ エイキョウ ヒョウカ

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抄録

遺伝子組換え作物を一般ほ場で栽培するためには、日本では「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)」に基づいた隔離ほ場における環境へのリスク評価が必須である。わが国で毎年多くの患者が発症しているスギ花粉症の予防効果が期待されるスギ花粉症緩和米の開発、実用化研究の一端として、我々はその安全性を検証していくため、隔離ほ場栽培における環境リスク評価を進めてきた。また、スギ花粉症緩和米においては、摂食した場合の安全性・有効性試験に供する材料確保のため、大規模な栽培が必要とされた。そこで、農業生物資源研究所の隔離ほ場で生物多様性影響評価試験および材料確保を目的としたスギ花粉症緩和米の栽培を2005年6月〜9月、2006年4月〜8月および8月〜11月の3作にわたり行った。栽培時期の異なる3作全てにおいて、イネの生育・形態特性、調査区に飛来する昆虫数・種類、調査区の土壌微生物数、花粉飛散による交雑性を調査し、これらをもとにスギ花粉症緩和米の野生動植物に対する影響を検討した。さらに、スギ花粉症緩和米は導入遺伝子産物が胚乳のみに蓄積していることから、種子を吸汁する昆虫に対する影響を直接的に調べる目的で、クモヘリカメムシがスギ花粉症緩和米を吸汁した際の生存率を調査した。

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