腎原発未分化神経外胚葉性腫瘍の1例

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タイトル別名
  • A CASE OF PRIMITIVE NEUROECTODERMAL TUMOR OF THE KIDNEY
  • 症例報告 腎原発未分化神経外胚葉性腫瘍の1例
  • ショウレイ ホウコク ジン ゲンパツ ミブンカ シンケイ ガイハイヨウセイ シュヨウ ノ 1レイ

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抄録

未分化神経外胚葉性腫瘍 (primitive neuroectodermal tumor, PNET) は神経外胚葉由来の腫瘍で10~20歳代の中枢神経, 軟部組織等に多く発生する. 腎原発のPNETは稀であるが, 最近報告が増えている. 今回我々はPNETの1例を経験したので報告する. 症例は28歳, 女性. 主訴は右側腹部痛. 2002年2月15日発熱, 右側腹部痛で当院救急外来を受診した. 超音波検査, CTで20×15cmの充実性腫瘍, 下大静脈腫瘍塞栓を認めた. 右腎腫瘍の診断で同年3月6日根治的腎摘除術, 腫瘍塞栓除去術を行った. 病理学的には未熟な小円形細胞が充実性に増殖していた. 免疫組織化学的染色でCD99, NSEが陽性であった. またPCR検査ではEWS/FLI1が検出された. 以上から右腎原発未分化神経外胚葉性腫瘍と診断した. 術後2ヵ月のCTで多発性肝転移, 肺, リンパ節転移が認められた. Cisplatin, Ifosfamide, Etoposide による多剤併用化学療法VIPを2コース施行した. 1コース終了時縮小傾向であった肺転移が2コース終了時には増大傾向を示した. その後 Paclitaxel, Carboplatin による化学療法を1コース施行したが肺, 肝転移とも増大し, 術後約5ヵ月で癌死した.

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参考文献 (22)*注記

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