1920-1930年代における小池新二の活動 : 昭和前期のデザイン啓蒙活動をめぐって

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タイトル別名
  • Shinji Koike's Activities in the 1920's and 1930's : The encouragement of Modern design in Japan in the prewar periods

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抄録

本稿では、1920-1930年代における小池新二(1901-1981年)のデザイン振興活動を考究した。小池は、学生時代に美学美術史を学ぶ一方で旅と登山に親しみ、実践の活動を通して自然と文明に対する思索を行う視座を感得した。大学卒業後、建築美学を探求するなかで欧州で展開されていた近代造形活動の考えに心服し、1930年代には多くの建築情報の出版活動への関与を行い、合理性・工学的審美性など客観的な科学を基盤とした近代建築運動を精力的に紹介した。また、「海外文化中央局」を設立運営し、建築・工芸についての世界的な活動の動向を中心に、幅広く人類文化の全領域にわたる膨大な情報の収集.研究を行った。1936年の「日本工作文化連盟」設立にあたっては中心的な役割を果たし、「工作」という概念を用い、生活の様式をつくりあげるものとしての造形運動の啓蒙・指導をめざした。それらの活動を通して、生活のあらゆる場面に造形美を創成しようとする「汎美計画」の思想を構築し、提唱した。

収録刊行物

  • デザイン学研究

    デザイン学研究 54 (6), 1-10, 2008

    一般社団法人 日本デザイン学会

参考文献 (58)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205410608896
  • NII論文ID
    110006664417
  • NII書誌ID
    AN00150292
  • DOI
    10.11247/jssdj.54.1_6
  • ISSN
    21865221
    09108173
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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