脳性まひ児の座位獲得過程にかかわる動作要素とその学習困難に関する分析

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of the Movement Elements That Children with Cerebral Palsy Learn in the Process of Acquiring Sitting Positional Movements and Difficulties in Learning Such Movements
  • ノウセイ マヒジ ノ ザイ カクトク カテイ ニ カカワル ドウサ ヨウソ ト

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抄録

本研究では、脳性まひ児が座位を獲得する過程で学習している動作要素を分析するとともに、こうした動作の学習困難について検討した。分析にあたっては、135名の脳性まひ児(4-16歳)を対象に、正常児の座位獲得過程におけるマイルストーンとされる4つの動作の獲得の可・不可を外的基準とし、動作訓練法におけるモデルパターン動作の獲得度を説明変数とした数量化2類による要因分析を試みた。さらに、クラスター分析で分類された脳性まひ児の類型ごとにフォローアップデータを検討することにより、動作学習上の問題を整理した。その結果、(1)座位を獲得する過程すべてにわたり頸の保持動作が関与すること(2)安定腹臥位および座位の獲得には膝立ち位における抗重力動作が関与すること(3)こうした抗重力動作の学習に困難を示す対象児の中には、頸のコントロールが問題になる対象児群と全身の屈曲パターンを示す定型的姿勢が問題になる対象児群があることが示唆された。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 35 (2), 1-10, 1997

    一般社団法人 日本特殊教育学会

被引用文献 (1)*注記

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