強度行動障害を示す1事例における療育経過の検討(実践研究特集号)

書誌事項

タイトル別名
  • 強度行動障害を示す1事例における療育経過の検討
  • キョウド コウドウ ショウガイ オ シメス 1 ジレイ ニ オケル リョウイク ケイカ ノ ケントウ

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抄録

本研究では、強度行動障害特別処遇事業の対象となった1事例の療育経過を報告するとともに、今後の施策の展開にあたってポイントになると思われる事項を整理した。今回の療育では、トップダウン・ボトムアップの両枠組みから療育プログラムの検討がなされ、段階的に療育ゴールを達成させるとともに、対象者の要求を受容し、生活場面で生じた不安や混乱に自ら対処する力を養うことを意図した療育課題が設定された。その結果、療育開始後早期の時点で行動障害が軽減され、その後安定した対人関係を基盤とした数々の適応行動が形成された。このような変容は、一時帰宅時の家庭生活においても認められた。これらの経過を踏まえ、本施策を今後より効果的に推進するために、(1)療育プログラムの作成方法(2)効果的な療育課題や療育方法の体系化(3)対象者と家族をめぐる問題を含めた基本的な療育の方向性、といった事項について検討する必要があることが指摘された。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 37 (5), 61-68, 2000

    一般社団法人 日本特殊教育学会

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