脳性まひ児の運動・動作の訓練におけるゴール設定をめぐって

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タイトル別名
  • Motor Skill Training : Setting Goals for Children with Cerebral Palsy
  • ノウセイマヒジ ノ ウンドウ ドウサ ノ クンレン ニ オケル ゴール セッテイ オ メグッテ

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抄録

脳性まひ児の訓練を実施する場合、個々の子どもに最適なゴールを設定することが求められる。本稿では、最近の脳性まひ研究のなかから、ゴールの設定をめぐる諸問題を取り上げ、整理した。はじめに、脳性まひ児の運動発達経過のうち、予後や二次障害など、訓練ゴールの設定と関わりが深い内容について簡単にレビューした。次に、90年以降、脳性まひ研究にWHOのICIDHをはじめとした障害モデルの枠組みが取り入れられるようになるにつれ、それまでインペアメントの次元に設定されていた訓練ゴールが、障害モデルの複数の次元にわたって設定されるようになった経過を述べた。最後に、心理学・教育学研究から、訓練ゴールの設定に示唆を与えると思われるいくつかの視点を紹介した。そして、子どもの能力的側面だけでなく、子どもと関わり手との相互関係や両者を取り囲む人達との関係を含めた、関係性のレベルにおいて、訓練ゴールを設定する必要があることを指摘した。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 38 (1), 41-51, 2000

    一般社団法人 日本特殊教育学会

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