「人工セルフモデリング」法による重度発達障害児の音声による要求言語の形成

書誌事項

タイトル別名
  • Artificial Self-Modeling : A Technique to Establish Vocal Requests in a Child with a Severe Developmental Disability
  • ジンコウ セルフ モデリング ホウ ニ ヨル ジュウド ハッタツ ショウガイジ ノ オンセイ ニ ヨル ヨウキュウ ゲンゴ ノ ケイセイ

この論文をさがす

抄録

音声による要求言語の獲得は、発達障害児の重要な指導課題のひとつである。本研究では、他者の音声モデルを模倣できない子どもに、いかにして音声による要求言語を形成するかという点を検討した。実験1では、子どもを遊ばせた設定で、子ども自身の音声をプレイバックした結果、プレイバックした音声の生起確率が高まり、子ども自身の音声を利用する方法の適用可能性が示唆された。このことに基づいて、実験2では、子どもの音声を利用した要求言語形成について検討した。具体的には、対象児から採取した単音の音声をつなぎ合わせることで人工的に言語音を作成して、さらにそれを子ども自身が非言語的に要求している場面のビデオに録音したものを観察させる方法(人工セルフモデリング)である。その結果、子どもは、音声による要求言語が獲得できた。さらにこの方法は、獲得したことばの般化促進の技法としても利用できることが示された。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 40 (1), 3-12, 2002

    一般社団法人 日本特殊教育学会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ