自閉症児の小遣い帳記入時における指示待ち行動の変容 : 母親の言語援助への介入をとおして

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  • ジヘイショウジ ノ コヅカイ チョウ キニュウジ ニ オケル シジ マチ コウドウ ノ ヘンヨウ ハハオヤ ノ ゲンゴ エンジョ エ ノ カイニュウ オ トオシテ

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抄録

「指示待ち行動」が顕著にみられる自閉症児1名に対し、買い物行動に連鎖する補助的スキルとして、小遣い帳記入スキルの獲得を試みた。しかし指導場面で獲得したスキルを家庭へ導入すると同時に、小遣い帳記入時の「指示待ち行動」の問題が顕著になった。そこで家庭での小遣い帳記入時における「指示待ち行動」の改善のために、母親の言語援助方法の内容を操作し、加えて時間遅延法を導入した。その結果、小遣い帳記入に多くの言語指示を必要としなくなったため、指導場面でのスキルの獲得のみならず、スキルの使用を家庭において可能にするためには、家族への介入の必要性も同時にあることが示された。さらに今後、「指示待ち行動」が顕著にみられる自閉症児に対して、指示を待たずに行動を生起させるための条件とは何か、また周囲の者たちが指示を出さなくすることを可能にする条件とは何かといった、双方の観点から詳細な検討の必要性があることが示唆された。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 41 (4), 415-424, 2003

    一般社団法人 日本特殊教育学会

被引用文献 (1)*注記

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