不注意を伴う子どもへの認知トレーニング : 徐波睡眠時に持続性棘徐波を示すてんかん(CSWS)児を対象として

書誌事項

タイトル別名
  • Cognitive Training for a Child Showing Inattention Associated With Continuous Spikes and Waves During Slow Sleep (CSWS)
  • フチュウイ オ トモナウ コドモ エ ノ ニンチ トレーニング ジョハ スイミンジ ニ ジゾクセイキョクジョハ オ シメス テンカン CSWS ジ オ タイショウ ト シテ

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抄録

近年、障害児を対象に認知トレーニングの試みがなされつつある。本研究では、徐波睡眠時に持続性棘徐波を示すてんかん症候群をもち、視空間機能と注意に問題を呈する子どもを対象にPay Attention!による注意力トレーニングを実施し、その効果を注意、認知(記憶)ならびに日常生活レベル(地誌課題)で評価した。トレーニングでは、セッション進行に伴いエラー率は低下し、再トレーニング時にもその効果は維持されていた。視覚的な選択的注意能力の向上が認められる一方で、視覚と聴覚両方への注意力は低下していた。特に、誰が何をしていたなど具体的・叙述的な視覚記憶の成績上昇が認められた。地誌課題では、風景の再認成績の向上があった一方で、方向選択や道順記憶の正答率に変化はなかった。以上の結果は、トレーニングの効果として、視覚刺激の入力段階での改善が認められ、その効果が課題選択的であることを示唆する。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 42 (4), 271-281, 2004

    一般社団法人 日本特殊教育学会

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