膵体部背側の後腹膜腔に発生した脂肪腫の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Retroperitoneal Lipoma at the Dorsal Portion of the Pancreatic Body in a Child
  • 症例報告 膵体部背側の後腹膜腔に発生した脂肪腫の1例
  • ショウレイ ホウコク スイタイブ ハイガワ ノ コウフクマクコウ ニ ハッセイシタ シボウシュ ノ 1レイ

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抄録

小児の後腹膜脂肪腫は稀な疾患であり,本邦において自験例を含めて9例が報告されているに過ぎない.後腹膜脂肪腫は一般に腎周囲に発生することが多いが,今回我々は膵体部背側の後腹膜腔に発生した稀な1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.症例は6歳の女児で,食後の上腹部痛を主訴に精査・加療目的で来院した.腹部超音波検査で膵体部背側の後腹膜腔に2.5cm大の境界明瞭な腫瘤を認め,CT,MRIでも脂肪成分を主体とした腫瘤の存在が確認されたため,後腹膜原発の脂肪腫または脂肪芽腺を疑い,摘出術を施行した.病理所見では,分葉状構造を呈した成熟脂肪細胞の増殖を認め,脂肪腫と診断した.術後の回復は順調で,10日目に軽快退院した.後腹膜脂肪腫は良性であることが多いが,摘出後の再発や悪性への変化の報告もあるため,腫瘍を完全に摘出することが重要で,術後も長期にわたる経過観察が必要と考える.

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参考文献 (22)*注記

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