グレリンファミリーペプチドによる食欲・消化管運動調節(シンポジウム : 心身医学における研究と診療の最先端,2007年,第48回日本心身医学会総会(福岡))

  • 乾 明夫
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科行動医学(心身医療科)
  • 浅川 明弘
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科行動医学(心身医療科)

書誌事項

タイトル別名
  • Feeding and Gastrointestinal Motility : Regulation by Ghrelin Gene Products(Symposium : Frontiers Research and Practice in Psychosomatic Medicine)
  • グレリンファミリーペプチドによる食欲・消化管運動調節
  • グレリン ファミリー ペプチド ニ ヨル ショクヨク ショウカカン ウンドウ チョウセツ

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抄録

脳腸ペプチドは食欲・体重調節に重要な役割を有することが知られているが,摂食行動と密接に関わる消化管機能の調節にも深く関わっている.グレリンは胃から見出された強力な食欲促進ペプチドであり,視床下部に存在する神経ペプチドY(neuropeptide Y ; NPY)やアグーチ関連ペプチド(agouti-related peptide ; AgRP)を介して,食欲や消化管運動に促進性の影響を及ぼす.グレリンにはアシル化された分子型と,アシル基のない分子型(デスアシルグレリン)が存在し,また近年,同じグレリン遺伝子から産生される消化管ペプチドであるオベスタチンが見出された.アシルグレリンは摂食や消化管運動に促進作用を有するのに対し,デスアシルグレリンは促進,抑制両方向に作用,またオベスタチンは抑制もしくは作用なしと報告されている.本稿では,グレリンファミリーペプチドによる食欲・消化管運動調節を概括し,議論の多いこの点を含めて述べる.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 48 (7), 625-630, 2008

    一般社団法人 日本心身医学会

参考文献 (22)*注記

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