低蛋白血症を伴った乳児重症アトピー性皮膚炎についての検討

  • 明石 真幸
    国立成育医療センター第一専門診療部アレルギー科:さいたま市立病院小児科
  • 野村 伊知郎
    国立成育医療センター第一専門診療部アレルギー科
  • 斎藤 暁美
    国立成育医療センター第一専門診療部アレルギー科
  • 成田 雅美
    国立成育医療センター第一専門診療部アレルギー科
  • 須田 友子
    国立成育医療センター第一専門診療部アレルギー科
  • 赤澤 晃
    国立成育医療センター総合診療部
  • 大矢 幸弘
    国立成育医療センター第一専門診療部アレルギー科

書誌事項

タイトル別名
  • CLINICAL FEATURES OF SEVERE INFANT ATOPIC DERMATITIS WITH HYPOPROTEINEMIA
  • テイタンパク ケツショウ オ トモナッタ ニュウジ ジュウショウ アトピーセイ ヒフエン ニ ツイテ ノ ケントウ

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抄録

【目的】近年,重症アトピー性皮膚炎(AD)に低蛋白血症や成長障害などを伴った症例が散見される.そこで今回,低蛋白血症を伴う乳児重症ADの初診時特徴と治療経過についての症例集積研究を行った.【対象】2002年3月から27ヵ月間で当科に受診した1歳未満のAD患者の中で,低蛋白血症を伴う重症ADの症例.これらの患者の初診時特徴及び治療に伴う症状や検査所見の変化について統計学的検討を行った.【結果】上記期間に受診した1歳未満のAD患者は119例で,うち15例が低蛋白血症を伴う重症ADだった.半数近<の患者は身長・体重が3 percentile未満で,10%以上の患者が重度の低ナトリウム及び高カリウム血症を呈していた. 60%の患者が血小板数800×10^3/μL以上だった.当科受診後スキンケア,ステロイド外用剤,悪化因子の除去を中心とした治療を行ったところ,皮膚症状,検査所見は速やかに改善した.【結論】ADは重症化すると低蛋白血症のみならず,成長障害,電解質異常,血小板増多を高率に起こす危険な病気であるが,適切な治療を行うことで改善させることが可能である.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 57 (7), 853-861, 2008

    一般社団法人 日本アレルギー学会

被引用文献 (5)*注記

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参考文献 (18)*注記

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