高齢化したスギ・ヒノキ人工林小流域における斜面位置別土壌中の水溶性イオンの動態

• 小柳 信宏

  （財）新潟県環境衛生研究所先端技術センター

• 久保井 喬

  環境省那覇自然環境事務所石垣自然保護官事務所

• 戸田 浩人

  東京農工大学大学院共生科学技術研究院

• 生原 喜久雄

  東京農工大学大学院共生科学技術研究院

書誌事項

タイトル別名

• Dynamics of Water-soluble Ions in Soil by Slope Position in an Artificially Forested Watershed with Aging Japanese Cedar and Cypress.
• コウレイカシタ スギ ヒノキ ジンコウリン ショウリュウイキ ニ オケル シャメン イチベツ ドジョウチュウ ノ スイヨウセイ イオン ノ ドウタイ

抄録

高齢化したスギ・ヒノキ人工林小流域における斜面位置別土壌中の水溶性イオンの動態を明らかにするために，野外培養による土壌中のN無機化速度（NH₄-N＋NO₃-N）と水溶性イオン生成速度，樹体の養分吸収量などを調査した。脚部および中腹部のスギ林は，尾根部のヒノキ林に比べて土壌中のNO₃-N生成速度が大きく，水溶性NO₃^－濃度および水溶性Ca^2＋濃度が高かった。NO₃-N生成に伴い水溶性NO₃^－はほぼ同じ割合で増加したが，水溶性SO₄^2－は培養後に減少した。生成した水溶性陽イオンに占める水溶性Ca^2＋の割合は，脚部および中腹部で8割程度，尾根部で5割程度であった。尾根部では林木への養分供給量と樹体の養分吸収量が同程度であった。一方，脚部および中腹部では，養分供給量が吸収量より多かった。脚部のような渓流沿いの場所で植栽木の高齢化により養分吸収量が低下すると，水溶性NO₃^－と随伴陽イオンが流亡し渓流水質に大きな影響を及ぼす可能性が指摘された。

収録刊行物

• 日本森林学会誌

  日本森林学会誌 89 (3), 151-159, 2007

  日本森林学会

キーワード

• 交換性塩基
• 斜面位置
• 硝化
• 森林流域
• 水溶性イオン

詳細情報

• CRID: 1390001205228316928
• NII論文ID: 110006882870
• NII書誌ID: AA12003078
• DOI: 10.4005/jjfs.89.151
• ISSN: 1882398X
• ISSN: 13498509
• NDL書誌ID: 8880019
• Web Site: http://id.ndl.go.jp/bib/8880019
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I8880019
• Web Site: http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjfs/89/3/89_3_151/_pdf
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
  • KAKEN
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可