Double switch operationにおける心房転換の工夫

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  • Newly-Devised Technique of Senning Atrial Switch in Double Switch Operation

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抄録

2003年4月から2006年8月までに当院で3例に対しdouble switch operation(DSO)を行った.手術時年齢は平均38カ月(2~89カ月),手術時体重は平均10.7kg(4.6~16.1kg)で,診断はそれぞれDextrocardia(apicocaval juxtaposition), corrected TGA, pulmonary atresiaが2例で内1例はnon-confluent pulmonary artery(PA)であった.さらにEbstein's malformationを伴ったcorrected TGAが1例であった.3例中mild MRを1例に,severe TRをEbstein's malformationを合併する1例に認めた.姑息術はpulmonary atresiaを合併した1例にmodified BTSを,non-confluent PAを合併した症例には段階的に両側modified BTS後,central PA plastyおよびRV-PA shuntを施行した.根治術はDextrocardia, corrected TGA, PAの症例2例にSenning+Rastelliを,corrected TGA, Ebstein's malformation,に対してSenning+Jateneを施行した.同時手術として僧帽弁形成術を1例に,右房化右室縫縮術および三尖弁輪形成術を1例に行った.心房スイッチはSenning手術を行いsystemic venous chamber作製の際SVC,IVCの開口部で心房フラップをたるませて吻合し狭窄を回避する工夫をした.Pulmonary venous chamberの作製は補填物を用いず自己心房組織のみで行うことができた.平均手術時間606分,人工心肺時間318分,大動脈遮断時間151分,出血量166mlであった.術後経過は平均挿管日数5日,ICU滞在期間13日,入院期間58日であった.術後心機能は概ね良好であった.術後造影CTではSVC,IVCから右室への還流はスムースでPVOも認めなかった.また術後Holter心電図で有意な不整脈は認められなかった.右心房面積が小さいとされるApicocaval juxtapositionのDextrocardiaや乳幼児症例に対しても,SVC,IVCの狭窄を防ぐ工夫をすることでSenning手術が可能であった.

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