雲南熟プーアル茶の発酵過程におけるポリフェノールおよびカフェインの変化

• 李 家華

  鹿児島大学大学院連合農学研究科

• 周 紅傑

  中国雲南農業大学

• 清水 圭一

  鹿児島大学大学院連合農学研究科

• 坂田 祐介

  鹿児島大学大学院連合農学研究科

• 橋本 文雄

  鹿児島大学大学院連合農学研究科

書誌事項

タイトル別名

• Changes of Polyphenols and Caffeine of the Yunnan Pu'er Tea during Fermentation Process

抄録

製造発酵過程における雲南プーアル茶のポリフェノールとカフェイン含量について,発酵期間を設定するため,雲南省鎮康県,双江県および景谷県の3地域で収集した日干しした緑茶(晒青緑茶)を発酵処理開始後10日毎に茶葉サンプルを採取し,分析を行った.(-)-エピガロカテキン3-ガレート(EGCG),(-)-エピカテキン3-ガレート(ECG),テオガリン(TG),ストリクティニン(STR),1,4,6-トリ-O-ガロイル-β-D-グルコース(1,4,6-tri-O-G-β-D-G)の5種の含量は発酵に伴って有意(1%レベル)に減少したが,40日以降のそれらの含量の減少の程度は小さくなった.また,(-)-エピカテキン(EC)と(-)-エピガロカテキン(EGC)含量は発酵開始後10日目までに増加し,その後急激に減少に転じた.これに対して,没食子酸(GA)含量は発酵40日目まで有意(1%レベル)に増加し,その後有意(1%レベル)に減少した.この結果,従来から報告されている,発酵中に微生物の産生するエステラーゼによってエステル類が加水分解を受けてGAが生成することを追認し,併せて加水分解型タンニンの加水分解もGA含量の増加に関係していることを初めて明らかにした.一方,紅茶の紅色色素であるテアフラビン類は検出されなかったことから,発酵によりプーアル茶に生成している色素類は紅茶のものとは異質のものであることが明らかとなった.カフェイン含量は発酵に伴い徐々に増加し,発酵開始後60日目には最高値となった.以上の結果から,プーアル茶製造における発酵期間は40日間で十分であると結論づけられた.

収録刊行物

• 農業生産技術管理学会誌

  農業生産技術管理学会誌 15 (2), 73-79, 2008-11-15

  農業生産技術管理学会

キーワード

• 雲南プーアル茶
• カフェイン
• 発酵
• ポリフェノール

詳細情報

• CRID: 1390282763106613760
• NII論文ID: 110007004797
• NII書誌ID: AA11646210
• DOI: 10.20809/seisan.15.2_73
• ISSN: 24242403
• ISSN: 13410156
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可