冷凍パン生地製造条件の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Investigations of Temperature Conditions on the Freezing Bread Dough Method

この論文をさがす

抄録

冷凍パン生地製造時の問題点を解決することを目的とし,パン生地の冷凍・貯蔵・解凍条件について検討を行った。冷凍は急速冷凍(-60℃),緩慢冷凍(-20℃)の2方法,貯蔵は-40℃貯蔵,-20℃貯蔵の2方法,解凍は低温解凍(5℃),室温解凍(4℃),高温解凍(38℃)の3方法で調製した生地について検討したところ,以下の結果が得られた。4週間冷凍貯蔵後のパンの比容積は,緩慢冷凍した生地から調製すると著しく小さくなった。また,貯蔵については-20℃貯蔵より-40℃貯蔵の方が焼き上がったパンの比容積は小さくなった。パン生地は冷凍貯蔵することにより粘着性が増加したが,特に緩慢冷凍生地の粘着性の増加が著しかった。緩慢冷凍した生地から調製したパンでは,破断中にひび割れし,著しくもろくなった。解凍温度の違いによるパンの比容積・パン生地の粘着性への影響はあまり大きくなかった。パン内層の物性は,貯蔵期間が長くなると,室温あるいは高温解凍すると,破断中に組織が崩れ,もろくなった。これらのことより,冷凍パン生地製造には,急速冷凍,-20℃貯蔵,低温解凍の方法で調製することが好ましいという結果が得られた。

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ