書誌事項
- タイトル別名
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- The government of Japan and Japanese citizenship
- コッカ ト コクセキ ニホン ニ オケル コクセキ シュトク ヨウケン
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抄録
2008年6月に最高裁判所は,国籍法の規定に違憲判決を下した。この判決は,国際化が進む日本社会の現状を踏まえてなされたものであり,画期的判決であるということができる。国籍は国家に属する人間を画する役割を持ち,国家のあり方や社会の状況とも密接な関係を持つ。明治時代に制定されたわが国初の国籍法は,封建的家族制度を大幅に取り入れながら,近代国家として欧米の国々との関係を保つという目的を持つものであった。その後,国家の拡大と国家主義の高まりにより,日本国籍が国家の威信と関連するようになり,国籍法は,私法的な関係の調整のためのみに存在するものではなくなった。終戦後,民主的な内容を持つ新国籍法が制定され,国籍問題は主として人権擁護の立場から考えられるようになった。 国際化が進む現代においては,外国人女性と日本人男性の間に生まれた子供の国籍問題などの新たな問題を抱えるようになっている。国籍問題は人権の擁護を主体として解決される方向に進んでいるが,国家の対応は,未だ十分であると言うことはできない。
収録刊行物
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- 東洋学園大学紀要 = Bulletin of Toyo Gakuen University
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東洋学園大学紀要 = Bulletin of Toyo Gakuen University 17 17-32, 2009-03-15
東洋学園大学
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390290699871666816
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- NII論文ID
- 110007043492
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- NII書誌ID
- AN10421432
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- ISSN
- 09196110
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- NDL書誌ID
- 10525851
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDL
- CiNii Articles