村上春樹『羊をめぐる冒険』論--〈残余の自己〉との出会い  [in Japanese] A study on Haruki Murakami "A Wild sheep chase": an encounter with half of the self  [in Japanese]

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Author(s)

    • 荻原 桂子 OGIHARA Keiko
    • 九州女子大学文学部人間文化学科科 Department of Humanities, Faculty of Human Science, Kyushu Women's University

Abstract

『羊をめぐる冒険』は、一九八二年八月『群像』に発表された村上春樹(一九四九年〜)の長編小説である。一九七九年六月『群像』に発表された『風の歌を聴け』、一九八〇年三月『群像』に発表された『1973年のピンボール』に続く、<鼠>三部作の最終作として若い世代から圧倒的な支持を受け、一九八二年には野間文芸新入賞を受けた。内閉した自己の心と、他者の心との関係性に触れ、自分か自分として感覚できない自己をめぐる病が描きだされる。他者の心に達するということの不可能から、他者との断絶のなかで生きていた<僕>が、<羊>をめぐる冒険に駆り出される。「自分自身の半分でしか生きてない」(第三章-3)と不思議な力のある耳を持つ女友達に言われ、「僕の残り半分」(同)を見出す行動にでることで、<撲>は自閉した自己を解放する冒険にでるのである。そこには、向こう側の世界が待ち受けていたのである。

Journal

  • Bulletin of Kyushu Women's University. Humanities and social sciences

    Bulletin of Kyushu Women's University. Humanities and social sciences 44(3), 143-154, 2008

    Kyushu Women's University & Kyushu Women's Junior College

Codes

  • NII Article ID (NAID)
    110007043583
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID)
    AN10143588
  • Text Lang
    JPN
  • Journal Type
    大学紀要
  • ISSN
    09162151
  • NDL Article ID
    9380820
  • NDL Source Classification
    ZV1(一般学術誌--一般学術誌・大学紀要)
  • NDL Call No.
    Z22-663
  • Data Source
    NDL  NII-ELS 
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