メンタルヘルス不調者が増加しているかどうか(シンポジウム:職場のメンタルヘルス最前線,2008年,第49回日本心身医学会総会(札幌))

  • 夏目 誠
    大阪樟蔭女子大学大学院人間科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Number of Patients with Mental Health Disorders may be Increasing(Symposium/The Latest Frontiers of Occupational Mental Health)
  • メンタルヘルス不調者が増加しているかどうか
  • メンタル ヘルス フチョウシャ ガ ゾウカシテイルカ ドウカ

この論文をさがす

抄録

メンタルヘルス不調者が増加しているかどうかについて,1.マクロの視点,2.身近な視点から報告するとともに考察を加えた.結果:1.マクロの視点から1)2004年度の厚生労働省(厚生白書)の患者動向調査によれば,1984〜2002年度までの19年間に「うつ病」は4.5倍と,著明に増えている.次にうつ病と関連が深いとされている自殺者は,この9年間にわたり3万人台と高止まりが続いている.さらには抗うつ薬の販売額は増加している.2)職場の現状では2008年度の社会経済生産性本部の上場企業を中心にした調査によれば,「この3年で心の病が増加した」と答えた上場企業は56.1%にのぼり,年代では30歳代に多いと報告している.2.身近な視点1)筆者が精神科医として相談・診療に関与している企業4社では,いずれもメンタルヘルス不調者が増加している.2)2つの「うつ病やうつ状態をめぐる座談会」の参加者である,2名の精神科医や3名の心療内科医,産業医・心理学者のいずれもメンタルヘルス不調者が増加していると答えていた.以上の2視点からの結果より,増加しているといえる.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 49 (2), 101-108, 2009

    一般社団法人 日本心身医学会

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (10)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ