開胸手術の既往例に対するNuss手術の安全性と問題点

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タイトル別名
  • The Nuss Procedure for Patients With Previous Thoracic Surgery
  • カイキョウ シュジュツ ノ キオウレイ ニ タイスル Nuss シュジュツ ノ アンゼンセイ ト モンダイテン

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抄録

【目的】開胸,開心手術の既往を持つ漏斗胸患者に対する,Nuss手術の安全性を検討する.【方法】2004年11月から2007年12月までに行ったNuss手術症例253例のうち,開胸あるいは開心手術の既往のある患者27例を対象とした.胸膜癒着の程度,癒着剥離術の方法,術中,術後の出血量と合併症につき後方視的に検討を加えた.【結果】Nuss手術を安全に行うために胸腔内の癒着剥離が必要となったのは,27例中10例であり,漏斗胸手術後のほうが,他の手術例と比べて癒着が高度な症例が多かった.癒着剥離を鉗子による鈍的剥離や電気メスで行った4例では術中出血が多く,術後もドレーンからの出血が遷延した.剥離にリガシュア^[○!R]を用いた6例では剥離部からの出血はほとんどみられなかったが,1例で術後1日目に気胸を発症し,胸腔ドレーンの挿入が必要となった.開胸手術に移行した症例はなく,輸血を必要とした症例もなかった.術後胸膜炎は3例にみられた.開心術後の縦隔剥離は合併症なく行えた.【結論】漏斗胸手術後の患者のほうがその他の開胸,開心手術後の患者と比べて癒着が高度な症例が多かった.比較的高度の癒着があってもNuss手術は施行可能であった.胸腔内の肺組織と胸壁との剥離後には出血や気胸などの術後合併症が多く,その対策としてリガシュア^[○!R]が有用であった.

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