近代的主体の成立と図書・図書館による近代の存立

• 海野 敏

  東洋大学社会学部

• 影浦 峡

  東京大学大学院教育学研究科

• 戸田 愼一

  東洋大学社会学部

書誌事項

タイトル別名

• The Formation of the Modern Subject and the Contribution of Printed Books and Libraries to the Completion of Modernity
• キンダイテキ シュタイ ノ セイリツ ト トショ トショカン ニ ヨル キンダイ ノ ソンリツ

抄録

本研究の目的は,近代における図書館の存在意義と社会的機能を明らかにすることである。そのために,主体とメディアの関係を手がかりとし,哲学,社会学,メディア研究等の先行研究を照査した。メディアが近代的主体の成立に寄与するための客観的条件を考えたところ,すべての条件を初めて満たしたのは印刷本であった。また,現在に至るまで印刷本だけが近代的主体の成立に寄与してきたことがわかった。さらに,19世紀に欧米で成立した近代図書館は,理念的には近代的主体の理想を純粋に体現していた。以上より,近代における図書館の本源的な社会的機能は,印刷本を媒介として近代的主体の成立,維持,強化に寄与するものであることを示した。

収録刊行物

• 日本図書館情報学会誌

  日本図書館情報学会誌 52 (4), 205-221, 2006

  日本図書館情報学会

詳細情報

• CRID: 1390282679544412928
• NII論文ID: 110007087418
• NII書誌ID: AA11333306
• DOI: 10.20651/jslis.52.4_205
• ISSN: 24324027
• ISSN: 13448668
• NDL書誌ID: 8598117
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I8598117
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可