イオン交換樹脂による森林土壌の水溶性塩基の動態

  • 呉 国南
    United Graduate School of Agricultural Science, Tokyo University of Agriculture and Technology
  • 生原 喜久雄
    Faculty of Agriculture, Tokyo University of Agriculture and Technology
  • 小池 孝良
    Faculty of Agriculture, Tokyo University of Agriculture and Technology
  • 相場 芳憲
    United Graduate School of Agricultural Science, Tokyo University of Agriculture and Technology

書誌事項

タイトル別名
  • Dynamics of water-soluble base cations in a forest soil measured by an in situ combined IER method
  • Dynamics of water-soluble base cations

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抄録

森林土壌における水溶性塩基のバランスはインプットとしての林内雨からの付加,Ao層および鉱質土壌層からの放出(コロイドとの交換による溶出と有機物の分解)と,アウトプットとしての林木による吸収と下層土への溶脱によって保たれる。その動態を量的に把握するために,イオン交換樹脂バッグおよびイオン交換樹脂コアを複合させ,18年生のスギ林の表層土壌中の水溶性塩基の移動量を測定した。試験地の林内雨とイオン交換樹脂近くの土壌水も採取した。K,Ca,Mgともに,林内雨からの付加,Ao層および土壌からの放出量は大きく異なった。インプットに占めるそれらの割合はそれぞれKで54%,12%,34%,Caで15%,36%,49%,Mgで22%,36%,42%であった。一方,アウトプットに占める林木による利用と下層土への溶脱の割合は,それぞれKで66%,34%,Caで42%,58%,Mgで45%,55%であった。森林の表層土壌におけるKの植物による利用効率はCaとMgより高かった。土壌中の水溶性塩基の動態を明らかにするのに複合されたイオン交換樹脂法の有効性が指摘された。

収録刊行物

  • 森林立地

    森林立地 38 (2), 92-97, 1996

    森林立地学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (13)*注記

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