耕作放棄水田に植栽したハンノキの生残と成長

書誌事項

タイトル別名
  • Survival and growth of Japanese alder (Alnus japonica Steud.) plantation in abandoned paddy fields
  • コウサク ホウキ スイデン ニ ショクサイ シタ ハンノキ ノ セイザン ト セイチョウ

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抄録

耕作放棄水田における林地化の試みとして,1994年春に新潟県内の3調査地にハンノキとスギを植栽し,2001年まで経過を調査した。ハンノキは2調査地で1999年と2000年までに全て死亡し,残りの1調査地でも2001年には13%に低下していた。一方,スギは最低でも55%の生残率だった。ハンノキの死亡要因では,コウモリガ被害,誤伐,雪害が多かったが,その比率は3調査地で異なっていた。一方,スギの死亡要因では3調査地とも誤伐が最も多いことで共通していた。いずれの調査地もハンノキよりスギの成長が上回っていた。ハンノキは過湿な土壌環境で成育が期待できたが,耕作放棄後の時間が経過すると草本植物の繁茂によりコウモリガ被害が増加するため,草本植物が繁茂しないうちに植栽する必要があると考えられた。

収録刊行物

  • 森林立地

    森林立地 47 (2), 125-129, 2005

    森林立地学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (14)*注記

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