上部消化管運動に対する六君子湯の効果

  • 大橋 祐介
    昭和大学小児外科診療グループ:昭和大学横浜市北部病院こどもセンター
  • 千葉 正博
    昭和大学小児外科診療グループ:昭和大学藤が丘病院外科
  • 川野 晋也
    昭和大学小児外科診療グループ:昭和大学藤が丘病院外科
  • 五味 明
    昭和大学小児外科診療グループ:昭和大学横浜市北部病院こどもセンター
  • 杉山 彰英
    昭和大学小児外科診療グループ:昭和大学横浜市北部病院こどもセンター
  • 土岐 彰
    昭和大学小児外科診療グループ:昭和大学病院小児外科
  • 八塚 正四
    昭和大学小児外科診療グループ:昭和大学病院小児外科
  • 真田 裕
    昭和大学小児外科診療グループ:昭和大学藤が丘病院外科

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of the Herbal Medicine Rikkunshi-to on Small Intestinal Motility
  • ジョウブ ショウカカン ウンドウ ニ タイスル リックンシトウ ノ コウカ

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抄録

【目的】六君子湯(TJ-43)は胃排泄能促進,胃粘膜保護作用を有することから,慢性胃腸機能障害に用いられている.近年,小児領域でも胃食道逆流症に対して有用性が認められている.その薬理効果はNOを介した胃平滑筋適応性弛緩反射改善作用により発現するが,小腸運動機能に対する効果は明らかにされていない.そこで筆者らは,TJ-43の小腸運動機能に対する作用を検討した.【対象と方法】体重220〜260gのWistar系雄性ラットを用い,8時間の絶飲食後に以下の実験を行った.実験1):ピオクタニン^[○!R]0.7ml投与群とTJ-43 0,79/kgBW+ピオクタニン^[○!R](総量0.7ml)投与群における投与15,30,45分後の色素小腸移送距離測定.実験2):胃,十二指腸,空腸にストレインゲージフォーストランスデューサー^[○!R]を縫着し,TJ-43(0.3,0.5,0.7g/kgBW)投与後の収縮運動を測定.実験3):TJ-43 0.7g/kgBW投与後の門脈血中ガストリン濃度,NO_2/NO_3濃度測定.【結果】1)TJ-43投与群の色素小腸移送距離は有意に短かった.2)TJ-43投与により,十二指腸,空腸の収縮運動は用量依存性に抑制された.3)TJ-43投与後30分の血清ガストリン,NO_2/NO_3濃度はコントロール群に比して有意な上昇を認めた.NO_2/NO_3濃度の上昇は持続性に認められたが,ガストリン濃度は投与後1時間でコントロール値まで低下していた.【結論】TJ-43は空腹時の小腸運動を抑制し,その機序にはNOを介した平滑筋弛緩作用が関与していることが示唆された.

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被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (27)*注記

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