ルチン-ゼラチン混合系ゲルのゲル化性

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タイトル別名
  • Gelation of rutin-containing gelatin
  • ルチン ゼラチン コンゴウケイ ゲル ノ ゲルカセイ

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抄録

ゼリー状ソバ食品の調理条件の解明を目指した基礎実験として,ソバに含有するルチンの添加量を変えて調製したルチン-ゼラチン混合系ゲルのゲル特性を追跡した。<br>細線加熱法および動的粘弾性の各測定では,ルチン添加によるゼラチンのゾル・ゲル転移温度の変動はみられなかった。しかし,結晶が析出し始める1,000 ppm 以上のルチン添加では,無添加試料に比較してゲル化後の貯蔵弾性率が著しく上昇したことから,この添加量以上では,ゲル化後のゼラチン分子の架橋形成が促進されることが示唆された。この濃度以上では,ルチン結晶の析出量が増加するとともに,有意にゲルの破断応力は上昇して硬さを増し,破断歪率は低下して脆くなった。以上のことから,ゲル中におけるルチン結晶の析出は,ゲルの物性に影響を与えると考えられる。<br>そのため,口当りの好ましいゼリー状ソバ食品の調理加工には,ルチン含量の低い普通ソバ粉や,ソバ茶抽出液などの利用が望ましいといえる。

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