卵巣摘出マウスにおけるトレハロースの骨形成促進効果の検討

  • 田谷 かほる
    奥羽大学歯学部口腔病態解析制御学講座歯科薬理学分野
  • 菅島 正栄
    奥羽大学歯学部口腔病態解析制御学講座歯科薬理学分野
  • 浜田 節男
    奥羽大学歯学部口腔病態解析制御学講座歯科薬理学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Osteogenic Effect of Trehalose on Ovariectomized Mice

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抄録

いくつかの糖類は腸管でのカルシウム吸収を増加させ,卵巣を摘出したラットの骨量減少を予防する.そこで本研究において,われわれはヒト閉経後骨粗鬆症の動物モデルである卵巣摘出マウスを用い,二糖類のトレハロース(TH)が閉経後の骨量減少を予防できるか検討を行った.雌性ICRマウスを6つの群:Sham群,OVX群,10mg/kgTH投与群(TH10),50mg/kgTH投与群(TH50),100mg/kgTH投与群(TH100),およびエストラジオール投与群(コントロール群)に分けた.OVX群,TH投与群,およびエストラジオール投与群は8週齢で卵巣摘出手術を施した後,トレハロースは経口投与により,エストラジオールは皮下注射により週6回,4週間投与し,体重,子宮重量,血清成分,および骨への影響を検討した.OVX群とトレハロース,またはエストラジオール投与群において,体重および血清中のCa,P濃度では,統計学的有意差は認められなかった.子宮重量はOVX群と比較して,エストラジオール投与群において有意に増加していたが,トレハロース投与群においては変化がなかった.大腿骨の乾燥重量および海綿骨の割合はOVX群と比較して,トレハロース投与群,エストラジオール投与群において有意に増加していた.大腿骨の骨強度はOVX群と比較して,TH100投与群,エストラジオール投与群において有意に増加していた.一方,TH10投与群,TH50投与群では,わずかに増加していた.腰椎の骨密度はOVX群と比較して,TH10投与群,TH100投与群,およびエストラジオール投与群において有意に増加していた.一方,TH50投与群ではわずかに増加していた.これらの結果より,トレハロースは閉経後の骨組霧症予防に効果があり,骨質を改善することが示唆された.

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