ボンディング材の保管および操作条件がエナメル質との接着強さに及ぼす影響

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  • Influence of Storage and Handling Conditions of Bonding Agent on the Bond Strength to Enamel

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抄録

この研究の目的はボンディング材の保管および操作条件がエナメル質の接着強さに及ぼす影響を検討することである.実験に用いたボンディング材は1ステップ型を2種類(以下,GB,AB),2ステップ型(セルフェッチング+アドヒーシブ)を1種類(MB),3ステップ型を1種類(MP)用いた.被着体は牛歯エナメルとフロアブルタイプのコンポジットレジンを用いた.ボンディングシステムの保管温度は室温条件(23℃)および冷蔵条件(4℃)とした.さらには冷蔵で保管し,使用8時間前に室温へ戻した条件も追加した(4℃⇔23℃).保管期間は1,30,60,90,180日とした.また,1ステップ型についてはディッシュ採取0,1,2分後にボンディング操作を行った条件でも実験を行った.接着試料は24時間水中浸漬後,剪断接着試験を行った.その結果,以下の結論が得られた.1.GBとMBを室温で保管した場合,1,30日と比較して90,180日で接着強さの値が有意に小さかった.2.ABとMPを室温で保管した場合,1,30日および60日と比較して90,180日で接着強さの値が有意に小さかった.3.GB,MBおよびMPを冷蔵,あるいは冷室で保管した場合,1日と比較して180日で接着強さの値が有意に小さかった.4.ABを冷蔵,あるいは冷室で保管した場合,1日と比較して90,180日で接着強さの値が有意に小さかった.5.GB,ABにおいてはすべての保管期間,保管温度条件で,ディッシュ採取後の操作時間が0,1,2分の各条仲間で接着強さの値に有意差は認められなかった.

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