11. 阪神・淡路大震災における応急仮設住宅供給に関する研究 : 神戸市周辺7市におけるアンケート調査から

この論文をさがす

著者

抄録

【研究の背景】 平成7年1月17日未明に阪神・淡路地区を襲った大地震は、死者5千人以上、全壊家屋約10万という戦後最大の大惨事となった。地震動・火災により多くの家屋が使用不可能になり、直後には避難所がパンク状態になった。ライフラインは大きな被害を受け、交通網も遮断され情報が入らず、被災地の状況は混乱を極めた。近年にない都市直下型地震であったため、様々な対策が後手後手を踏むこととなり、結果的に被災者の人たちに厳しい長期間にわたる避難生活を余儀なくすることになった。今回特に避難空間の供給方法が問題化した。避難所・応急仮設住宅という従来の供給システムも、あまりにも大きな規模のため限界が顕在化した。市街地内に空地が不足し郊外や臨海部に何千という超巨大な仮設住宅団地を建設することとなり、周辺環境をも一変させてしまった。都市部においても公園や学校のグラウンドなど公共空間が仮設住宅用地となった。このような大きな被害において、住宅復旧システムをいかに体系化していくかが今後の課題であるが、今回の地震における問題点を改めて確認し、被災者の生活救済のための応急対策の迅速かつ的確な対応を確立することが急がれる。 【研究の方法】 本調査は神戸市を中心に、1次・2次発注で建設された応急仮設住宅がある周辺7市において、アンケート調査を実施した。調査項目は、主に被害程度・避難移動形態・仮設住宅の住居環境・今後の住宅再建への希望等である。このアンケートにより今回の応急仮設住宅の供給方法を過去の事例と比較しながら、今後の震災復旧対策のあり方を検討するものである。 【研究の概要】 本研究で明らかになった主要なことは以下の点である。1. 住宅被害の中で長屋建てや集合住宅の被害が大きく、自力による早期住宅復旧が困難な状態にある人が多い。どうしても応急仮設住宅に頼らざる負えない。2. 仮設住宅団地の立地場所が郊外や臨海部になると生活上不便になり、大規模化・画一化が顕著になり、各戸の孤立性が高くなり特に高齢者には厳しい環境となる。3. 仮設住宅の性能上の問題では、今回特にユニットバスを備え付けたが、使用上の問題点が多く聞かれ特に高齢者・障害者の人には不評であった。4. 今後の住宅希望では、公営住宅への期待が大きい。旧住所との関係やコミュニティーの形成などを考慮して計画していかなければならない。

収録刊行物

  • 地域安全学会論文報告集

    地域安全学会論文報告集 (5), 89-96, 1995

    地域安全学会

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    110007152448
  • NII書誌ID(NCID)
    AA11250264
  • 本文言語コード
    JPN
  • データ提供元
    NII-ELS  NDL-Digital 
ページトップへ