肺アスペルギルス症切除例の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Surgical treatment of pulmonary aspergillosis

この論文をさがす

抄録

1976年1月より1989年12月までに手術を施行した肺アスペルギルス症は12例で,肺内病巣11例,胸腔内病巣1例であった.発見動機は胸部異常陰影6例,血痰3例,喀血2例,緊張性気胸1例で,基礎疾患は肺結核3例,糖尿病2例,気管支拡張症1例であり,肺結核の1例は右上葉切除を受けていた.胸部X線写真でair meniscus signを呈した6例のみ術前に真菌症の診断を得たが,他の6例は肺癌を疑った.手術は肺内病巣に対し肺葉切除6例,区域切除3例,部分切除2例施行し,胸腔内病巣の1例はアンホテリシンBの経皮的空洞内注入療法を行うも改善が得られないため,空洞を切開し有茎大網充填術を行った.肺癌との鑑別が困難な症例や内科的治療の無効例では切除後の予後が良好なことより,積極的に外科的治療を行うべきである.また,難治性気管支瘻を有する菌球型の胸腔内病巣では,有茎大網充填術は有用と考えられた.

収録刊行物

  • 日呼外会誌

    日呼外会誌 5 437-444, 1991

    特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会

被引用文献 (4)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ