非血縁家族を構築する人たちについての文化心理学的考察 : その人たちへの社会的スティグマをめぐって Culture-psychological Considerations of Non-biological Families : How Do They Overcome the Stigma in Our Society?

この論文をさがす

著者

抄録

文化が人間のあり方に大きく影響することは様々な事象によって自明のことであるが、人間のあり方に文化を超えたかなりの共通性があることもまた見逃せない事実である。そのひとつに社会的スティグマ(烙印)がある。社会的スティグマとは、ひとが相手を自分とは異質なもの、汚れたものと見ることによって、相手の存在によって自分の幸せが脅かされると思えたり、理解したくないという気持ちから、相手と一層距離を置きたいと考える心理である。このことは、大勢の人たちが共通にもっている見方からはずれた対象に対して特に顕著にあらわれる。高齢者、異人種・民族、障害者、貧困者などが社会的スティグマの標的になることはしばしば見聞きするところであるが、それだけではない。ここでは、血縁のない家族を創ろうとする人たちが血縁をもつことは家族にとってごく当たり前と思っている人たちから浴びせられる社会的スティグマに焦点を当てながら、どのようにして非血縁家族は構築されていくかを、"不妊治療の選択→養子を迎える決断→幼年養子を迎える"という家族のライフサイクルによって考察し、非血縁家族を構築する人たちの社会的スティグマへの挑戦を通して、改めて家族とは何かを考える。

This article explores the social stigma that prospective adoptive couples encounter in constructing their non-biological families from a culture-psychological perspective. The author examines the social stigma encountered with regard to: 1) childlessness; 2) selection of assisted reproduction technologies; and 3) decisions to raise non-biological children. The study concludes that both executing triad communications among the birth-parents, adoptive parents and adopted child (openness) , and the adoptive parents' assistance for the adopted child to understand their biological origin (telling process) represent effective procedures to overcome the social stigma and construct the family.

収録刊行物

  • 東京女子大学比較文化研究所紀要

    東京女子大学比較文化研究所紀要 66, 13-25, 2005

    東京女子大学

キーワード

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    110007176169
  • NII書誌ID(NCID)
    AN10436928
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    Departmental Bulletin Paper
  • 雑誌種別
    大学紀要
  • ISSN
    05638186
  • NDL 記事登録ID
    7281728
  • NDL 雑誌分類
    ZV1(一般学術誌--一般学術誌・大学紀要)
  • NDL 請求記号
    Z22-400
  • データ提供元
    NDL  NII-ELS  IR 
ページトップへ