母親は子どもへの不快感情をどのように説明するか : 第1子誕生後2年間の縦断的研究から

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タイトル別名
  • Maternal Accounts of Negative Feelings toward Their Children : A Longitudinal Study
  • ハハオヤ ワ コドモ エ ノ フカイ カンジョウ オ ドノ ヨウ ニ セツメイ スル カ ダイ1シ タンジョウゴ 2ネンカン ノ ジュウダンテキ ケンキュウ カラ

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抄録

本研究では子育て・親子関係を正負双方の側面をもちあわせたダイナミックなプロセスとしてとらえ,はじめて子どもを産む女性を対象に,子どもに対する不快感情についての説明づけを縦断的に検討した。具体的には子どもが2歳になるまでの間3ヶ月ごとにインタビューを行い,そこで得られた子どもに対する不快感情についての説明づけを分析することを通して,母親たちのものの見方を明らかにした。母親たちのものの見方は,目の前のわが子の育ち,子育ての方向性,母親自身の資源とが,せめぎあうなかで成り立っていることが考えられた。生後2年間の変化として,子どものことがわからないところから子どもの行動をパターン化し,1歳の後半には人格をもった一つの主体としてとらえるようになるプロセスと,世話・保護の対象から親の影響を受けるひとりの主体として子どもをとらえ,ソーシャライザーとしての役割を認識するようになるプロセスがあることが明らかになった。そのようなものの見方の変化は子どもの発達と不可分であることが示された。

収録刊行物

  • 発達心理学研究

    発達心理学研究 20 (1), 74-85, 2009

    一般社団法人 日本発達心理学会

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