沖縄教育における「文明化」と「大和化」 : 太田朝敷の「新沖縄」構想を手がかりとしてと

書誌事項

タイトル別名
  • "Civilization" and "Japanization" of Okinawa Education : Through OOTA Chofu's Idea of "New Okinawa"
  • 沖縄教育における「文明化」と「大和化」--太田朝敷の「新沖縄」構想を手がかりとして
  • オキナワ キョウイク ニ オケル ブンメイカ ト ヤマトカ オオタ チョウフ ノ シン オキナワ コウソウ オ テガカリ ト シテ

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抄録

従来、近代沖縄教育史研究は「皇民化教育」「同化教育」という用語で、近代沖縄教育の基本的性格を言い表し、明治国家の教育政策の抑圧性を批判する視座が支配的であった。そのような研究視座は、「同化教育」「皇民化教育」の抑圧性を強調するあまり、沖縄人の主体的営為への着眼が薄いという問題を抱えてきた。そこで、本稿では「嚏(くしゃみ)する事まで他府県の通りにする」と発言し「皇民化教育」「同化教育」の象徴的存在とされてきた新聞人・太田朝敷(1865-1938)の沖縄教育に関する思想や「新沖縄」の構想を再検討した。「同化」概念の多義性に留意しつつ、教育会を抗争の舞台ととらえることにより、太田が、「大和化」には回収されない「文明化」の回路を提示し、「沖縄人」意識の存立基盤を提供したことを明らかにした。

収録刊行物

  • 教育学研究

    教育学研究 76 (1), 1-12, 2009

    一般社団法人 日本教育学会

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