占領期医療提供システム形成におけるGHQの方針と日本の選択

• 堀籠 崇

  東北大学大学院経済学研究科経営学専攻

書誌事項

タイトル別名

• The Formation of the Japanese Health Service System in the Occupation Period
• センリョウキ イリョウ テイキョウ システム ケイセイ ニ オケル GHQ ノ ホウシン ト ニホン ノ センタク
• The GHQ's Policy and the Adoption of the Japanese Government

抄録

本稿では、現在日本の医療提供システムに関して、占領期医療制度改革においてGHQの及ぼした影響が大であったという立場から、とりわけ戦後の医療提供体制における公私ミックスのあり方についてのGHQの考えと、それを受けた日本政府の方針選択に焦点を当てて、歴史的な検討を試みた。GHQは公私ミックスに影響を及ぼす直接的な、医療機関の整備・普及策は指示しなかったものの、米国調査団を招聘し、政策方針を決定する際に基礎となり得る考えを提示した。GHQは日本政府の政策方針選択の際、表面上ニュートラルな立場をとったものの、それは本意ではなかった。GHQはその根本に「医師の独立性と医療政策における医師の指導的地位の確保」を医療政策理念として保持し、事業税問題における医師擁護、医薬分業の推進を進めた。一方日本政府はこうしたGHQの医療政策理念を受けつつ、これと合致する形で、日本国内の各種医療政策アクターの利害調整を行った。その結果、戦後当初日本政府が選択した公(特に国)主導の医療提供体制は、質的転換を遂げることとなったのである。

収録刊行物

• 日本医療経済学会会報

  日本医療経済学会会報 28 (1), 1-25, 2009

  日本医療経済学会

キーワード

• 医療システム
• 医療提供体制
• 対日占領政策
• 医薬分業
• 税

詳細情報

• CRID: 1390282680205722112
• NII論文ID: 110007356944
• NII書誌ID: AA11563146
• DOI: 10.20690/jpeh.28.1_1
• ISSN: 21897522
• ISSN: 13449176
• NDL書誌ID: 10413347
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I10413347
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2009306401
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可