体腔液細胞診におけるモノクローナル抗体AD117mの応用 : Papanicolaou脱色標本への応用

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  • Application of an Immunoperoxidase Method Using a Monoclonal Antibody AD117m to Effusion Cytology Smears

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抄録

子宮頸部腺癌由来培養細胞株OMC-4に対するモノクローナル抗体AD117mを作製し,体腔液細胞診に応用した。検索材料は425例のPapanicolaou脱色体腔液標本(細胞診良性219例,疑陽性11例,悪性195例)で,比較対象として上皮系マーカーである抗CEA抗体(以下CEA),抗EMA抗体(以下EMA)を用いた。細胞診悪性例における陽性率はAD117m92.8%,EMA98.2%,CEA78.0%であり,CEAに比較し約15%高い結果を得た。一方,良性例における反応性中皮細胞の陽性率はEMAの31.7%に比しAD117mは4.8%と低値であり,その反応性は微弱で出現頻度も極めて低率であった。さらに免疫細胞化学的基準を作成して推定診断を試みた結果,細胞診陰性および疑陽性と診断された中に免疫学的に明らかな癌細胞が確認される所見が得られたことは注目される所見と思われた。この研究からAD117m,EMA,CEAを併用し,免疫細胞化学的基準を応用することは体腔液細胞診の診断率向上に極めて有用な方法であると思われた。

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