Cine MRによる脳室サイズの一心拍内動的変化からみたくも膜下出血後正常圧水頭症のシャント適応

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  • Indications for CSF shunting in normal pressure hydrocephalus following subarachnoid hemorrhage with lateral ventricular size change on cine-MR.

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抄録

くも膜下出血(SAH)後に正常圧水頭症と診断し,髄液短絡術(シャント術)を行うも症状があまり改善しないことを時に経験する。SAH後に脳室拡大を呈した17例において,シネMRでみられる一心拍内の側脳室面積の動的変化を指標にしてシャント術適応を決定した。17例中15例では,側脳室は心収縮期に収縮するが変化は小さく,心拡張期には元サイズを越え100%以上となる健常例と異なる変化を示した。この15例中症状の顕著な11例にシャント術を行い,全例に症状の改善をみた。一方,側脳室の収縮-復元のみの健常例とほぼ同様のパターンを呈した2例はシャント術の適応はないと診断し,その後症状の悪化はない。くも膜下出血後の正常圧水頭症の短絡術適応の決定に,一心拍内での側脳室の変化を指標にしたシネMR解析は的確かつ簡便な非侵襲的診断法である。

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