昭和中期(戦後)における扇風機の発達 : 扇風機のデザインにおける歴史的研究(3)

書誌事項

タイトル別名
  • The Development of Electric Fan in Middle Showa (the Time Immediately after the World War II) : Historic Analysis on a Design of Electric Fan (3)

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抄録

扇風機の基本的な機能は,第2次世界大戦前に,ほぼ満足のゆく段階に至っており,戦後追加された機能としては,いわゆる「お座敷扇」に見られる首伸縮機能くらいである。これは1台で洋間にも和室にも使用可能な経済的な扇風機と認知され,団地を中心に広く受け入れられた。戦前発明された幅広3枚羽根の「エトラ扇」は,戦後特許が切れたことにより,各社がこぞって採用するようになる。安全性が確保されたことから,ガードの間隔の疎らなものが増え,流線型の本体との相乗効果により,戦前に比較し軽快でスマートな印象を与える扇風機も登場した。色彩に関しては,扇風機は「黒」という常識が,戦後のカラー化導入によって覆された。これは,進駐軍の影響とプラスチックの採用によるところが大きい。この時期の扇風機用ガードのデザインの多様性には目を見張るものがあり,扇風機のモデルチェンジやバリエーション展開により付加価値を与え,消費者の購買意欲をそそる営業戦略的側面において,大いに寄与している。

収録刊行物

  • デザイン学研究

    デザイン学研究 56 (2), 7-16, 2009

    一般社団法人 日本デザイン学会

参考文献 (21)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205410025344
  • NII論文ID
    110007387815
  • NII書誌ID
    AN00150292
  • DOI
    10.11247/jssdj.56.7_2
  • ISSN
    21865221
    09108173
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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