Aprataxin遺伝子変異(689insT)が認められた眼球運動失行を伴う失調症(Ataxia-oculomotor apraxia; AOA1)患者の臨床症状

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タイトル別名
  • The Cerebella and Peripheral Nerves Symptoms of Patients with Ataxia-Oculomotor Apraxia Type 1 (Aprataxin Gene Frameshift 689 insT Mutation)

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抄録

【目的】常染色体劣性遺伝性脊髄小脳変性症のひとつである眼球運動失行を伴う失調症(Ataxia-oculomotor apraxia;AOA1)はaprataxin遺伝子の変異により起こる疾患である。AOA1患者の理学療法を行う上で,小脳症状の重症度は進行初期に決定されるが,末梢神経障害は進行とともに経年的に悪化することを考慮すると,末梢神経障害の変性状態の臨床症状を知ることは重要である。【方法】慢性期のAOA1患者2名(44歳,48歳)の臨床症状を定性的,定量的評価スケールを用いて評価した。【結果】神経伝導速度が20歳代から40歳代の約15年で約20m/sの低下が認められ,運動機能の特徴として,重度の小脳失調と,特に末梢部・下肢に強い末梢神経症状が認められた。【結論】AOA1患者に対しては,小脳症状に対する理学療法のみでなく,末梢神経障害を考慮した予防的運動療法も行うことが重要になると考えられた。

収録刊行物

  • 理学療法学

    理学療法学 36 (6), 317-323, 2009-10-20

    日本理学療法士学会

参考文献 (25)*注記

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