定型カルチノイドに対し,肺切除を伴わない気管支楔状切除を施行した1例

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タイトル別名
  • Wedge Resection of the Right Lobar Bronchus Without Removing Lung Parenchyma in a Case of Typical Carcinoid

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抄録

背景.近年,低悪性度腫瘍である定型カルチノイドの治療において,経気管支治療や縮小手術の有用性が報告されている.症例.60歳代女性.血痰を主訴に近医を受診し,胸部CTにて右中間気管支幹内に陰影を認めたため,気管支鏡検査を施行.右中葉支分岐部より右中間気管支幹に突出する腫瘍を認め,生検にて定型カルチノイドと診断.その後,硬性鏡下に切除を試みるも,完全切除不能であると判断し,手術を施行した.腫瘍は右中下葉気管支分岐部に存在しており,肺切除を伴わない気管支楔状切除を施行した.結果.術後経過は良好であり第7病日に退院となった.術後の肺機能低下は軽度であった.術後4ヵ月現在再発などは認めていない.結論.定型カルチノイドに対する手術術式は,その発生部位により検討されるが,本症例では肺切除を伴わない気管支楔状切除を行い,肺機能温存の点からも有用であった.今後,症例によっては考慮されるべき術式であると思われる.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 31 (6), 392-396, 2009

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

参考文献 (5)*注記

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